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【勝負師たちの系譜】他人の「星」に左右される昇降級 (1/2ページ)

★順位戦(3)

 順位戦はリーグ戦だから昇級、降級ともに、他人の星が関係することが多い。

 私自身も棋士になって2年目のC級2組順位戦で、最終局を勝ち、競争相手が敗れたという、他力で上がったことがある。

 この時私は大阪での対局が早めに終わり、静岡県焼津市の実家に帰って早々と寝てしまった。東京で私の競争相手の下平幸男七段(当時)が敗れ、自分が上がったのを知ったのは、翌朝、師匠(廣津久雄九段)からの電話であった。

 反対に人が負けて、降級の危機から助かることもある。今年のサッカーワールドカップ、日本代表のポーランド戦での消極的なパス回しを見ていたら、その情景がまざまざと浮かんできた。

 それは私がA級になって2期目の時だった。その年は大山康晴15世名人の病気休場で、降級は1人。順位が上からK九段、私、T八段(当時)の3人が2勝5敗で降級を争っていた。

 K氏は2人のうちどちらかが負ければ、降級は免れる。T氏は勝っても、どちらかが負けないと助からないという状況だから、2人とも常に席を立って人の戦況を見ていた。

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