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【大前研一 大前研一のニュース時評】サマータイム議論、「EUで廃止論」は意図的に流布された記事…“日本版”の本格的な検討を (1/3ページ)

 ここにきて、サマータイムのデメリットを伝えるニュースが増えてきた。例えば、「1970年代から本格導入しているEU(欧州連合)では、期待されたレジャーの活性化や夜間のエネルギー消費削減などの効果が出ないうえ、健康や睡眠への悪影響を示唆する研究成果が報告されて、疑問視する声が広がり、欧州委員会が28加盟国から寄せられたパブリックコメントの結果を分析して対応する」といったものだ。

 日本経済新聞はこの「EUで廃止論」という記事をトップニュース扱いで掲載していた。だが、EUの廃止論なんて昔から言われていることだ。サマータイムの議論が日本で出てきたタイミングで、これを大きく打ち出すということは、日経が誰かの働きかけでサマータイムに反対していることが透けて見える。

 読売新聞の方向転換も奇異に映る。ことの発端は東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相が7月27日、首相官邸を訪れ安倍晋三首相にサマータイム導入を要請したことだ。元派閥の親分の言い出した案だけに安倍首相は「それが1つの解決策かもしれない」と応じたと報告されているが、その後、菅義偉官房長官などがこれを打ち消すために有力メディアを個別撃破している姿が透けて見える。しかしこうしたことに煩わされることなく、この際、サマータイム日本版をきちんと検討すべきだ。

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