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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】好漁場「大和堆」めぐる運命のいたずら EEZを地球物理学者から見ると… (2/2ページ)

 ここは日本からも北朝鮮からも300キロ以上も離れている。そこにやってきている北朝鮮の漁船は長さ5~10メートルほどの小型の木造船だ。船室や船橋もないボートなみの船さえ多い。しかも老朽化している。

 この前の冬に遭難して日本の各地の沿岸に打ち上げられた北朝鮮の多くの木造船もこの仲間だ。日本海の中部で遭難して漂流してきたに違いない。

 大和堆に集まる小さな木造船に冷蔵設備はない。イカが腐らないように現場でスルメ(干しイカ)にしている。そこに放水することでスルメを台無しにしてしまう。海上保安庁のヘリコプターに気付いた北朝鮮の漁民が手を合わせ、「海域を離れる」といった可哀想な仕草をしたのも見受けられたという。

 そもそも日本海でのイカの漁獲量は年々減っている。この10年で最も多かった2011年と比べると17年は4分の1になってしまった。日本海に限らない。道南の太平洋や函館沖のイカも水揚げが記録的不漁だった昨年をさらに下回っている。ただでさえ減っているので、日本の漁民は外国の漁船にピリピリしているのだ。

 日本と北朝鮮の間のトラブルに限らない。地球物理学者から見れば、たまたまの運命のいたずらの結果、世界各地の海でEEZをめぐる悲劇が起きているのだ。

 地球はなかなかの罪作りなのである。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『完全解説 日本の火山噴火』(秀和システム)。

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