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【勝負師たちの系譜】藤井七段との対戦記 羽生竜王のような指し回しに驚嘆 (1/2ページ)

 この度、藤井聡太七段と対局をする機会があったので、その感想を述べてみたい。

 私は今期、現役棋士として45年目に入り、全現役棋士中では2番目の年長者(最年長は関西の桐山清澄九段)である。

 長く現役を続けたおかげで、30歳年上の大山康晴15世名人から、50歳近く下の藤井七段まで、本気の勝負ができたのは、棋士冥利に尽きると思っている。

 今回の対局は、今期C級1組順位戦の第4局でのこと。ここまで私が2勝1敗、藤井は3連勝での対戦だった。

 皆が勝てない藤井という相手というのはどんなものか、非常に興味があった。それが普段の対局とは違う過剰意識になったのかもしれない。

 若手の頃、43歳差の棋士と指したことがあったが、40歳以上も年上の棋士に負けているようでは「自分の将来はない」と思った。今回も相手がそう考えてもやむなし、と考えることにしていた。

 とはいえ、最初から負ける気で指す訳はない。私が先手番と決まっていたから、一番先手を生かせる相掛かりという、序盤から動きやすい戦法に決めて研究をした。

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