記事詳細

【勝負師たちの系譜】一人のタイトル獲得が… 83年、高橋道雄棋士の戴冠で「55年組」躍進 (1/2ページ)

★王位戦(2) 

 一人のタイトル獲得が、その棋士と同年代の棋士を引き連れて、高みに昇ることがある。

 55年組と言われ、昭和55年度(1980年4月~81年3月)に棋士になった集団の棋士が皆、タイトルを取れたのは、83年に高橋道雄五段が内藤国雄王位(いずれも当時)に挑戦し、奪取したことが大きく影響したからと思う。

 この期、私も王位リーグで勝ち進み、4連勝同士で高橋と決戦になったが、彼の腰の重い将棋に敗れ、高橋はそのまま挑戦者となって、奪取したのだった。

 当時は中原誠16世名人の全盛時代で、そこに米長邦雄棋王が割って入り、大山康晴15世名人もまだ健在という、大御所しかタイトルを取れないと思われていた時代だった。

 そこに突然、高橋が王位を奪取したのだから、皆が新しい時代の到来を感じたと同時に、同年代の棋士も彼が取れるならと続いたのである。

 具体的には86年に中村修六段(当時)が中原から王将位を、87年に塚田泰明七段(同)が王座を、88年に南芳一八段(同)が棋聖位を、同年に島朗六段(同)が初代竜王にと、次々に若くしてタイトルを奪取して行ったのだった。

 最初に王位を獲得した高橋は翌年、加藤一二三九段にタイトルを奪われてしまうが、最終局となった神奈川県の鶴巻温泉『陣屋』では終了後の打ち上げを断り、一人帰って行った。

関連ニュース