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【富坂聰 真・人民日報】中国の女優、ファン・ビンビン失踪から見える…映画界と人民解放軍の「真の関係」 (1/2ページ)

 中国の国際派女優ファン・ビンビンが失踪というニュースを受けて日本でも、その真相を探る報道が熱を帯びた。

 現状、脱税で取り調べを受けているということで落ち着いているが、その裏側では「中南海の権力闘争だ」「いや、軍の関与がある」と意見が百出している。

 中国で何か起きれば、どんな小さな問題も「権力闘争」か「共産党の陰謀」、もしくは「軍が……」という流れになるのはお約束だが、それを見るにつけ、相変わらず日本にとって中国は「近くて遠い国」だと思い知らされる。

 要するに知っているワードが「権力闘争」と「共産党」と「軍」しかないから、すべての問題がそこに落ちていくことになるからだ。

 逆に言えば、たいして中国を知らなくても「裏に権力闘争が」とか言えば、もっともらしく聞こえてしまうのである。

 北朝鮮問題では、旧瀋陽軍区が独自に北朝鮮とつながっているかのように話す自称“識者”がいて驚かされたが、そんなことが起きようもないことは人事をみればすぐにわかることなのに、それさえもないのが日本の中国報道の実態だ。

 というわけで軍と映画の関係に少し触れてみたいのだが、そもそもという意味では、中国の映画はほぼ100%軍のものであった。当然のことながら生み出されるのが共産党のプロパガンダで中身は抗日戦争だった。だから映画製作会社にも、中国共産党などが抗日統一戦線結成を呼びかけた「八・一宣言」にちなむ「八一」の名が付くことが多かった。

 それがだんだんと薄れてきたというのがこれまでの流れである。

 つまり大きな流れでみれば軍の影響が減ってきたことになる。

 現在でも軍との関係が深いのは、一つには抗日戦争を題材とすることが多い点にある。

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