記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】“豊洲騒動”とはなんだったのか… 都が間違った判断で回り道、偏った報道も民意を誘導した (1/2ページ)

 11日から豊洲市場がオープンするが、当初の予定から1年11カ月遅れるなど混乱し、環状2号線の整備にも悪影響が出ている。今回の騒動で行政や議会、マスコミ報道に問題点はなかったのか。同様の事態が繰り返される懸念はないのか。

 本コラムの読者であれば、筆者はこの問題が騒ぎになった当初から、サンクコスト(埋没費用)論と豊洲、築地両市場の科学的なリスク評価のみで、豊洲移転が合理的な帰着であると書いてきたことをご存じだろう。

 つまり、豊洲も築地も地下はそれなりに土壌汚染がある。これは東京都内、特に湾岸エリアであれば避けられない。しかし、しっかりした封じ込めをすればその上では安全性は確保できる。そして豊洲と築地の上屋を比較すれば、閉鎖系の豊洲のほうが格段に安全である。豊洲は既に建設済みだったことから、安全対策の追加的コストをみれば豊洲に軍配が上がる。サンクコスト論と科学的なリスク評価の結果なので、もっと前に決断すべきだった。

 しかし、東京都は間違った判断をした。その結果、ほぼ2年間の回り道になった。その原因は、東京都の専門家会議が出した「豊洲の地下水から環境基準を超える物質が検出されたが、安全性に問題はない」という結論を無視したからだ。

 報道の問題もあった。マスコミが報道している「基準」とは「環境基準」であって「安全基準」ではない。環境基準は、人の健康の保護および生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準であり、具体的に地下水についていえば、そのまま飲めるほどきれいなものである。

関連ニュース