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【高橋洋一 日本の解き方】「サウジ問題」決着のシナリオ トルコは決定的情報を秘匿…最後はオイルマネーがものを言うか (1/2ページ)

 サウジアラビア人のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏殺害事件は、サウジ、米国、トルコが表向きの関係国だが、背後には複雑な中東情勢が見え隠れする。

 今のところは、トルコが地の利を生かして国際社会で株を上げている。米国ともめていたのに、このドサクサに紛れて米国人牧師を解放し、その上、米国に情報提供して距離を縮めた。一時急落したトルコリラも持ち直している。

 トルコの情報について、当初はカショギ氏の持っていたアップルウォッチから婚約者に残したiPhone(アイフォーン)へ音声が転送され、それが情報源となったという解説があったが、筆者のようなアップルユーザーにはすぐわかる見え透いたウソだ。というのは、アップルウォッチには2つの通信機能があるが、1つはトルコ国内で運用されていないし、もう1つは取調室のような閉鎖空間では電波が届かない。領事館でのトルコの諜報活動を隠すためだったのだろう。

 元米国家安全保障局(NSA)職員のエドワード・スノーデン氏が暴露した極秘文書によれば、米国は多くの国の大使館などで盗聴をしていたといわれるから、トルコが行っていたとしても驚かない。大使館職員から、盗聴されているという前提で行動しているという話をしばしば聞く。

 米国は表向きサウジを非難しているようだが、中東におけるサウジの立場を悪くすると、中東のパワーバランスが変化して、さらにやっかいなことになることを恐れている。そのためサウジに対処を委ねているのだろう。

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