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【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】百田尚樹氏の『日本国紀』現象に思う “常識”と“事実”の価値 (1/2ページ)

 作家、百田尚樹氏の最新刊『日本国紀』(幻冬舎)は、初版25万部に5万部の発売前重版を加えた計30万部でスタートした。さらに正式発売日の12日、10万部増刷が決まった。

 書籍や雑誌など、出版物の総販売部数は毎年減り続けている。半面、出版点数は増加し、現在は年間約8万点に及ぶ。つまり1日平均220冊の出版物が発売されるのだ。結果、近年の出版業界では、「1万部でベストセラー」が常識である。『日本国紀』は非常識すぎる。

 百田氏本人も、夕刊フジのインタビューや、インターネット番組「真相深入り! 虎ノ門ニュース」、ツイッターなどで語っているが、この歴史的ベストセラーは、百田氏と私の共著『いい加減に目を覚まさんかい、日本人!』(祥伝社)の対談をきっかけに執筆された。そのときの様子は同著の第5章「平和ボケした日本人が戦うときが来た!」(257ページ~)で再現されている。

 残念ながら私は現在、本コラム執筆のほか、連日の講演会や新刊原稿のチェックに追われていて、手元にある『日本国紀』をまだ1ページも読めずにいる。だから感想を書けないが、『日本国紀』の周辺で起きている現象は、興味深く観察中だ。

 まず、ネット上では発売前から、「フェイク歴史本」や「ヘイト本」「ネトウヨ本」などのレッテルを貼る人たちが、たくさん現れた。中には、某国立大の名誉教授という人物もいたが、本書に書かれていない話を憶測で批判し、百田氏本人から見事返り討ちにされていた。

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