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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】日本は外国人の「憧れの国」か… (2/2ページ)

 そもそも、なぜ今回の法案が用意されたかといえば、深刻な人手不足に悩む産業界の要請に応えるためだった。

 それは「雇う側」の事情である。それが、そのまま欠陥になっている。「雇われる側」の事情が、あまり考慮されていないのだ。しかも、雇う側は目先の人手不足解消に目を奪われて、雇用も「国際競争にさらされている」点をすっかり忘れているようだ。

 ズバリ言おう。

 英語が堪能なフィリピン人は移住を考えたとき、日本とカナダのどちらを選ぶか。答えはカナダが多いはずだ。知人の中国人も「日本よりカナダで永住したい」と言っていた。移住者が多く、支援も手厚いからだ。

 カナダは人口3600万人のうち783万人が移民である。実に5人に1人以上だ。そこから「モザイク国家」とも呼ばれている。シリアから大量の難民が出たときも、各地の自治体は受け入れを競い合った。

 国の方針として移民を歓迎し、職業相談はもとより、生活支援にも万全の目配りをしている。

 いまや日本が多少、門戸を開いたところで、生活支援で後れをとっているために、移住希望者が「日本を選んでくれない」可能性が高まっている。優秀な日本の若者が日本企業を選ばないのと似たようなものだ。

 この際、政府も産業界も「日本で働く魅力をどう高めるか」に知恵を絞るべきだ。外国人を安い労働者とみなしているようでは、日本は「憧れの国」になり得ない。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革推進会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『ケント&幸洋の大放言!』(ビジネス社)がある。

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