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【大前研一 大前研一のニュース時評】イギリスの「EU離脱」再投票に期待 (2/2ページ)

 ここでもう1回投票するのは悪いことではない。英国は現在、完全雇用に近い状態だ。今後EUを離脱して、欧州大陸から来ている人が帰らざるを得ないことになると、雇用はどうなるのかといった問題も出てくる。

 ということで、私も2回目の国民投票に期待している。最終的には「残留」という軟着陸をしたほうが欧州のためにもいいと思う。というのも、これだけ英国が苦労している姿を見せれば、デンマークなど離脱の国民投票を検討していた国を踏みとどまらせる効果もあるからだ。

 一方、イタリア政府が策定した来年の予算について、EUの執行機関の欧州委員会は「財政赤字が大きすぎる」として修正を要請した。この問題で同委員会のユンケル委員長は、「イタリアがユーロ圏を離脱するのは自殺行為。多くのイタリア市民はEUに留まりたがっている」と語った。

 日本もあまりデカイことを言えた義理ではないが、イタリアの場合、公的債務残高は対GDP比131%、金融支援を受けたギリシャほどではないが、EUの財政規律(累積債務は60%以内)に違反している。

 イタリア政府が欧州の要求どおりに3週間で予算を立て直して再提出しなければ、制裁が下され、ユーロ圏から出ていけという話になる可能性もある。イタリアの動きも目が離せないところだ。

 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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