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【高橋洋一 日本の解き方】文系学生に数学を教えるなら…まず教員や経営者から始めよ パソコンで苦しみ軽減できる (1/2ページ)

 経団連が、大学に対して、文系と理系にそれぞれ教育内容の見直しを提言すると報じられた。文系学生にも最低限の数学を教えるべきだとしているが、その背景や意義、現実度はどうなのか。

 筆者は大学の数学科卒業なので、数学のかなりの基礎分野を本格的に学んだ。おかげで、物理学、統計学、経済学など数学で記述される学問を勉強するうえで大いに役立った。

 数学は記述言語の一つであり、数理的かつ厳密な記述には欠くことのできないものである。あるテレビ番組で、筆者が世の中のさまざまな現象を数式で表すという企画があり、それが面白いといわれたが、筆者としては、どうして数式なしで分かるのかが不思議で仕方ない。

 例えば、「日本が財政破綻するかどうか」という問題だ。ある人は財政破綻するといい、ある人は財政破綻しないという。筆者から見れば、どっちもどっちだ。財政破綻は確率現象なので、「何年以内に何%の確率で破綻する」と言わないと意味がない。答えは「日本の財政破綻確率は5年以内で1%にも達しない」というものだ。

 集団的自衛権は、過去の戦争データから、戦争になる確率を4割程度減らせることも数式で分かる。反対者は感情的に「戦争に巻き込まれる」としか言わないが、集団的自衛権により戦争を仕掛けられる確率が減少することを考えないので、合理的とはいえない。

 「原発が危ない」という議論も似たようなところだ。

 おそらく議論する人の数学の素養が欠けているから、合理的な議論ができないのだろう。客観的かつ数量的な議論ができないと、主観的な意見の言い合いで、極論になりがちだ。

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