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【勝負師たちの系譜】竜王戦 “数字”の確かさ証明した広瀬八段の勝利 (1/2ページ)

★竜王戦(4)

 竜王位の行方を決める最終第7局は、山口県下関市の『春帆楼』で行われた。ここは、「ふぐ料理公許第一号」として知られる老舗の料亭だ。

 それにしても来ない可能性のあるこの第7局を、下関市がよく誘致したものと私は思った。もっとも今回は、羽生善治竜王が勝てば、タイトル通算100期となる上に、敗れれば27年ぶりの無冠となる大一番だけに、注目度は最高潮。報道陣も前局より倍以上来たから、結果的には大当たりだった。

 将棋は第4局までと同じ、角交換腰掛銀となり、先手の広瀬章人八段が駒損で攻め、羽生が受けに回る展開となった。

 2日目の昼食休憩までは、どちらが勝つかわからない戦いといわれていたが、午後から夕方になるにつれ、広瀬の優勢がハッキリしてきた。

 羽生は必死の勝負手を繰り出すが、広瀬の応手は正確で、羽生を追い詰め、最後は鮮やかな即詰めで羽生を投了に追い込んだ。

 広瀬にとっては初の竜王位であり、タイトル獲得としては2010年の王位に続いて、2度目である。

 今回は羽生の大記録がかかっていただけに、羽生が負けたという報道ばかりが目立ち、普段将棋界の情報を見ない人は、誰が勝ったかわからないという人が私の周りに何人もいた。

 昔のゴルフの石川遼選手の報道の時と、同じものを感じたのは私だけではあるまい。

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