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【富坂聰 真・人民日報】天安門事件直後に極秘訪中実施… 利害で対中政策を変更する米国 (1/2ページ)

 米中関係を長期的に考えるシリーズの、今回が3回目だ。

 これまで触れてきたのは、中国の経済的台頭は、そこに多くの国の企業がコミットしたから達成されたものであり、その利害は複雑だ。

 だからこそ中国に厳しい制裁を科せば、長期的には自分にも返ってくるという「ルーズルーズ」の問題に世界は頭を抱えることになってしまっているのだ。

 よしんば大きな犠牲を覚悟したとしても、その犠牲の上に各国は何を獲得するのか、そのコンセンサスが確立されているとは思えないのだ。

 わかりやすく言えば、中国の態度を改めさせるために君の会社が倒産することを我慢しなさいといわれて納得できるか、ということだ。

 今年は天安門事件から30年の節目の年だ。民主化を求める学生・市民を人民解放軍をもって排除した惨劇である。

 この行いに世界は震撼(しんかん)し、中国には経済制裁が科せられた。

 このとき日本政府は、中国が国際社会で孤立することは、かえって世界にとってマイナスだと最も早く制裁解除に動いたといわれている。

 後の天皇陛下の中国ご訪問と合わせ、日本の失敗と位置付ける声は国内に多い。

 だが、日本が制裁解除に踏み切るはるか前、ブッシュ政権の下で大統領補佐官だったブレント・スコウクロフトは密かに中国を訪問して、中国のリーダーたちと制裁解除に向けて接触を始めているのだ。

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