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【BOOK】オウム事件元死刑囚の判決に疑義 門田隆将さん「真相解明されないまま刑執行はおかしい」 (2/3ページ)

 --2審(控訴審)では、目黒公証役場事務長事件の逮捕監禁致死罪を認め、地下鉄サリン事件の総合調整役として重要な役割を担ったことが認定されている

 「彼が、獄中で書いた約5000枚(400字詰め原稿用紙)を読み、本人と4度面会しましたが、一貫して(2審の)事実認定の内容を否定している。捜査員が言う通りでした。彼は、殺人を命じられて、自分では『やらなきゃいけない』と思いながらも、できなかったのです。サリン事件の『総合調整役』『司令塔』でもない」

 --井上元死刑囚は「すべての罪はわが身にあり」としていたのでは

 「彼は『冤罪(えんざい)』を主張していたわけではありません。自分が犯罪に手を染めてしまった結果、多くの被害者や家族を不幸にしてしまった。師(麻原彰晃元死刑囚)の間違いを弟子として止められなかったことへの強い悔悟があったからです」

 「ただし、『真実』を語り、二度とこうした凶悪犯罪を起こさせないことが『自分にできる最大の償い』だと考えていたからこそ、事実認定の違いには最後までこだわりました」

 --彼の主張に対しては、内外からバッシングが相次いだが

 「『死刑になるのがイヤでそんなことを言っている』という非難もありましたが、彼自身は死刑を従容として受け入れていました。検察や2審の裁判官らは、客観的な状況や証拠を丹念に調べることもなく、『オウムは死刑にすべし』という世間の声に押し流されてしまった。マスコミは、弁護士が新たな証拠を主張しても相手にせず、まったく取り上げなかった。だから本書はマスコミ批判でもあるのです」

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