記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】「核搭載ミサイルで米は一瞬にして消滅」 トランプ氏を強くけん制したプーチン氏の年次教書演説 (1/2ページ)

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先月20日、施政方針を盛り込んだ年次教書演説を行った。私が毎朝見ている「ロシア1」のニュース番組「ヴェスチ」でも、けっこう長い時間、この演説を放映していたが、先月5日に米国連邦議会の上下両院合同会議で行われたドナルド・トランプ大統領の一般教書演説に比べて、はるかに内容に富み、かつ自信に満ちたものだった。閣僚、連邦議会議員、軍の幹部、主な市長らを前に、1つずつ非常にわかりやすく語っていた。

 今回、プーチン大統領は、約1時間半に及んだ演説の大半を少子化対策の拡充や貧困問題の解決など内政問題に割いていた。年金改革に対する反発で支持率低下が続く中、社会福祉の向上などを鮮明にして好印象を与えようとしたわけだ。

 ただ、私にとって興味深かったのは、米国を強く牽制(けんせい)した外交面だ。

 米国が中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を決めたことについて、「米国はトマホーク・ミサイルの発射システムをルーマニアとポーランドに設置して、自分たちが条約違反を犯したのに、ロシアが違反したと非難している。米国が欧州に新たな中距離ミサイルを配備すれば、配備場所だけでなく、意思決定した米国も射程に収める最新兵器を使って対抗処置を取らざるを得ない」と表明した。

 「やるんだったら、やってやろうじゃないか」というわけだ。ただ、そこでやめておけばいいのに、さらに新型兵器の名前を1つずつ挙げて、その開発強化に言及していた。例えば、音速の9倍で1000キロ超を飛行し、米国のミサイル防衛網を突破できる核搭載の極超音速ミサイル「ツィルコン」により、米国は一瞬にして消滅するなどと語っていた。

関連ニュース