記事詳細

【長谷川幸洋「ニュースの核心」】トランプ氏のロシア疑惑「シロ」は日本に吉報、中国・北朝鮮には凶報… (2/2ページ)

 残念ながら、徹底捜査した特別検察官と司法長官が「シロ」と言うのだから、そんなもくろみは完全に外れた。

 ロシア疑惑の展開がどうであれ、私はトランプ氏の政治的立場が強くなった点を歓迎する。なぜなら、北朝鮮の日本人拉致問題にせよ、東アジアにおける中国の傍若無人な振る舞いにせよ、日本は強固な日米同盟によってしか国益を守れないからだ。

 ここは、日本人がよくよく考えるべきポイントである。

 いくら野党や左派マスコミがトランプ氏が嫌いでも、日本は米国との同盟関係なくして平和と繁栄を維持できない。中国ひとつとっても、国土と人口、経済規模、軍事力からみて、日本は自分だけで中国に対抗できない。

 拉致問題の解決も、トランプ政権が圧力を加えるなかで、北朝鮮が態度を変えるかどうかにかかっている。そんな米国と世界で最高の友好関係を築いたのは、安倍政権の最大の成果である。

 もともと、ロシア疑惑など、日本にとっては米国の司法当局に任せておけばいい問題だ。結論がシロだったのだから、結構なことではないか。繰り返すが、私の判断基準は「日本の国益にとって、シロとクロのどちらが都合がいいか」だけだ。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と、中国の習近平国家主席には、ショックだったに違いない。2人ともトランプ氏の足元が揺らいで、自分の立場が強くなるのを望んでいたはずだ。ご愁傷さまである。

 これで、2020年の米大統領選挙でも、トランプ氏には有利な材料になった。今度は正恩氏と習氏が自分の足元を心配する番だ。彼らは、いつまで生き残れるのだろうか。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。

関連ニュース