記事詳細

「ハッカー攻撃」連日16億件以上…サイバー空間で何が起きているのか 『防衛隊』初代隊長を直撃 中国の軍、情報機関に警戒 (2/3ページ)

 佐藤氏は17年1月に退官後、情報セキュリティー会社「ラック」(東京)のナショナルセキュリティ研究所長を務めている。

 「サイバー攻撃を仕掛ける敵は、強固な守りの本丸(=防衛省)よりは、周囲の防衛関連企業などを攻めてくる。防御する側は『相手がいずれ本丸を狙うため出城を狙っているのか、どうか』を見極めることが大切だ。全体像を知るには、民間の立場から物事を見るのも必要だ」

 ラックは、900社を上回る顧客企業の安全を監視する。

 「実は、海外から毎日、計16億件ものハッカー攻撃をラック社では観測している。中央省庁では実在の職員名を詐称する新手の手口も確認した。ここ数年で、偽メールの日本語の精度も向上し、真偽が判別しにくくなっている。10年前はウイルスのバラマキ型だったが、最近はピンポイントで特定の人を狙い、情報を抜き取ったり、メールのタイトルに『至急』などと書き、メールを読みたくなるような心理を突いた、オレオレ詐欺に似た攻撃が多いようだ」

 特に、共産党一党支配の中国からの攻撃に神経をとがらせている。

 中国人民解放軍は03年から、敵対国を「世論戦」「心理戦」「法律戦」を駆使した「三戦」で攻撃する戦略を取ってきた。

 その上、習近平国家主席は16年にサイバーセキュリティ法を制定するなど、国内での情報監視を強めている。

 佐藤氏は「同法が、ネットワークのユーザーも対象にしたことが重要だ。中国国内を統制する法律だが、ネットは世界中につながっており、結果的に、さまざまな情報が中国当局の管理下に置かれる。習氏は中国式の管理手法を世界に広めようとしている」と警戒感を隠さない。

関連ニュース