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「徴用工」追加訴訟、今後も続出 韓国最高裁判決が拍車

 徴用工だったと主張する者やその遺族が、日本企業を相手取り追加訴訟を起こした韓国では、今後も同様の提訴続出が必至の情勢だ。

 韓国最高裁が昨年10月末、新日鉄住金(現日本製鉄)に対し賠償を命じた確定判決以降、下級審では原告勝訴が相次いでいる。このため、確定判決が頼りとなる判例として、追加提訴を強く勢いづけている。

 特に昨年12月に光州(クァンジュ)高裁が、最高裁判決による確定判決が出た同年10月30日を起点に「原則6カ月、最長3年間は新たな提訴が可能」との判断を示したことで、6カ月の満期を迎える今月は、追加訴訟が続く。

 南西部の光州では支援団体が5日まで原告を募集し、月内の追加訴訟を計画。3月末日で239件の申請が受理済みだ。新たな訴訟でも日本企業が敗訴する可能性は高い。ただ、今回の追加訴訟で原告の大半は当事者の遺族で、事実関係の信頼性の問題もある。

 日本政府は「日韓間の財産・請求権の問題は1965年の日韓請求権協定により解決済み」との立場で、「原告の損害賠償請求権は請求権協定の適用対象に含まれない」と判断した最高裁判決を認めていない。その上で、韓国政府に適切な措置を強く求めている。

 韓国政府は「対応策を講じていく」(李洛淵(イ・ナギョン)首相)と表明したものの、5カ月が過ぎた現在も対応策を明らかにしていない。「司法判断を尊重する」(文在寅(ムン・ジェイン)大統領や李首相)と事実上の野放し状態の中、複数の日本企業の資産が差し押さえとなっており、追加提訴の続出も不可避だ。

 日韓関係について「協力を強化する」(文大統領)、「関係改善のために努力したい」(李首相)という半面、韓国側で対応策が出ない徴用工問題は、雪だるま式に膨らんでいる。(産経新聞)