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【高橋洋一 日本の解き方】ゴーン事件と中東の金融事情 マネーロンダリング解明視野、捜査当局は国際世論に活路か (1/2ページ)

 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者が4回目の逮捕となった。今回はオマーンなど中東への資金の流れが問題となる、新しい展開だ。ゴーン容疑者がレバノン系という事情もあると思われるが、ほかにも中東特有の金融の事情や仕組みがあるのか。

 ゴーン容疑者はこれまで、(1)報酬額の過小記載で金融証券取引法違反(2018年11月19日)、(2)別期間の金融証券取引法違反(12月10日)、(3)私的投資損失の日産への付け替えによる会社法違反(12月21日)と3回逮捕されてきた。今回は、(4)日産の支出を私的流用したことによる同法違反(19年4月4日)である。

 会社法違反の特別背任の疑いがある(3)と(4)はともに中東を背景としている。検察は一体として捜査していたのだろうが、(3)と(4)の間の、19年3月9日に保釈があった。検察側は海外案件であるので証拠隠滅の恐れを主張したのだろうが、裁判所に認められなかった。

 筆者の感想では、(3)について、ゴーン容疑者の個人案件にしては国際金融の複雑な手法が取られており、不自然な印象だ。結果として損害を与えなかったとゴーン容疑者側は抗弁したが、犯罪を否定する論拠にはならない。

 一般に中東の金融は、マネーロンダリング(資金洗浄)が比較的容易と言われており、犯罪捜査の基本である資金トレース(追跡)が難しい。本件の場合、邦銀が一部絡んでいるので解明の突破口になったと思われるが、それでも舞台が中東で、ゴーン容疑者の知人が関係者ということもあり、格段に困難な事件だろう。

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