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「卵を供出せよ」国家の奇っ怪な命令に失笑、激怒する北朝鮮国民 (1/2ページ)

 先月初め、北朝鮮の北部山間地にある両江道(リャンガンド)の金正淑(キムジョンスク)郡の各家庭に、人民班長(町内会長)を通じて次のような指示が下された。

 「1世帯あたり卵を4つ納めよ」

 この突拍子もない指示を受けた現地住民は失笑しつつも頭を抱えている。

 その背景にはこんな「美談」があると、現地のデイリーNK内部情報筋が説明した。

 ベトナムでの米朝首脳会談を終えた金正恩党委員長は、先月5日午前3時ごろに平壌駅に到着した。少年少女2人から花束を受け取った金正恩氏は、跪いて2人に話しかけた。「何か食べたいものはないか」と尋ねたところ、2人は「卵が食べたい」と答えたという。

 それに対して金正恩氏は「子どもたちに卵を充分に食べさせよ」「党が責任を持って愛育院(孤児院)など子どもの施設に卵を供給せよ」と指示したという。

 地方政府が中央から自主的に卵を調達せよとの指示を受けたのか、上役の覚えをよくするための忠誠競争に走っているのかは不明だが、子ども向けの施設に供給する卵を、農村の各家庭に供出させることで賄おうとしているのだ。

 そんな指示を受けた農村では轟々たる非難が巻き起こっている。

 「状況がまだマシな都会で卵を供出させるのなら、市場で買えば済む話だが、生活の苦しい農村で卵を4つも供出することは容易ではない」「自分の子どもにも食べさせられない卵を、どうして他人の家の子に与えなければならないのか」

 なぜこんなことになってしまうのか。問題の根底には、故金日成主席が税金制度を廃止してしまった事実がある。

デイリーNKジャパン

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