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「国民のために」自衛官の思いに「ありがとう」 『自衛官が語る災害派遣の記録』を監修、桜林美佐氏に聞く (1/2ページ)

 阪神・淡路大震災や東日本大震災など、平成は未曾有の災害が相次いだ時代だった。国民が危機に直面した際、自らの命をも省みず人命救助や被災地復旧に当たった自衛官らの姿を記した、『自衛官が語る災害派遣の記録-被災者に寄り添う支援』(並木書房)が出版された。監修した、防衛問題研究家の桜林美佐氏に聞いた。

 「今でこそ、災害派遣での自衛隊は評価されていますが、過去には派遣先で地元に受け入れられないこともあった。機能しない自治体を導くなど、現場の苦労や困難は絶えなかったのです」

 桜林氏はこう語った。

 注目の一冊は、自衛隊家族会が発行する防衛情報紙『おやばと』に掲載された自衛官の回想録をまとめた。すべて現場で体験した支援の実態だ。

 1995年1月の阪神・淡路大震災では、自治体や地元に災害派遣への理解が進んでいなかった。当時、自治体が設置した対策本部長に任命された自衛官は、知事との面会がなかなか許されず、会議では「神戸に戦闘服は似合わない」と発言されたという。

 それでも、自衛官はがれきの下にいるかもしれない人々を懸命に捜索し、救援物資の補給支援を行うなど黙々と任務をこなした。そうした姿は、国民の自衛隊への信頼に変わり、「自主派遣」の基準を明確にすることにつながるなど、災害派遣のターニングポイントとなった。

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