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【高橋洋一 日本の解き方】日米で脚光「MMT」の不可解 さっぱり分からないが…財務省にとっては好都合!? (1/2ページ)

 「MMT(現代貨幣理論)」という言葉が、新聞やテレビでも取り上げられるようになっている。報道によれば、政府が膨大な借金を抱えても問題はないというものだ。米国では将来の民主党大統領候補と目される29歳のオカシオコルテス下院議員が支持を表明したことで、俄然(がぜん)脚光を浴びている。

 もっとも、米国の主流経済学者は批判的だ。筆者も文献を読んだが、さっぱり分からない。通常の経済理論は誤解のないように数式モデルで構成されているが、MMTには雰囲気の記述ばかりで全く数式モデルがないからだ。米主流経済学者もおそらく筆者と同じ感想であり、論評する以前の問題だろう。

 一般の人には数式の有無は関係ないかもしれないが、専門家の間では問題だ。例えば、相対性理論を数式なしで雰囲気で説明することはできるが、数式なしでは正確なGPS(全地球測位システム)は作れない。

 一方、日本では、筆者を含む経済学者らは「リフレ派」と呼ばれている。筆者はこれまで「統合政府では財政再建の必要性はない」とか「インフレ目標までは財政問題を気にする必要はない」などと主張してきた。

 リフレ派は今から二十数年前に萌芽(ほうが)があるが、筆者らは、世界の経済学者であれば誰でも理解可能なように数式モデルを用意してきた。興味があれば、岩田規久男編『まずデフレをとめよ』(2003年、日本経済新聞出版社)を読んでほしい。数式モデルは、(1)ワルラス式(2)統合政府(3)インフレ目標で構成されている。

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