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【国を守る覚悟】中国の軍事力強化、北の脅威も新たな段階に… 新防衛大綱は万全か (1/2ページ)

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 政府は昨年12月18日の閣議で、新たな防衛力整備の指針である「防衛計画の大綱」(以下『30大綱』)と、「中期防衛力整備計画」(2019~23年度、以下『31中期』)を決めた。

 「25大綱」策定からわずか5年、「統合機動防衛力」構築も途上段階で見直したのは、わが国を取り巻く安全保障環境が各段に早いスピードで厳しさと不確実性を増しているからだ。

 中国の軍事力強化や、米中覇権争いが加速・複雑化した。北朝鮮の「核・ミサイル」の脅威も新たな段階に入り、弾道ミサイル防衛の対応は急を要する。技術の進歩と脅威リスクの性質の変化で、宇宙、サイバー、電磁波といった「新たな領域」を含む横断的作戦を遂行する防衛力構築が喫緊の課題に浮上した。

 安倍晋三首相は「これまでの延長線上ではない、真に必要な防衛力の在るべき姿を見定める」との指針を示し、新大綱を策定させた。新しい領域を融合した能力構築や、平時から有事まで活動継続できる「多次元統合防衛力」の構築を目標に据えた。大きな転換、前進であり評価したい。

 一方で、陸上・海上・航空自衛隊の体制には期待外れも、課題もある。

 防衛力強化にあたって「真に実効的な防衛力の構築のため、量および質を必要かつ十分に確保する」とあるが、既存の陸・海・空自の大枠の予算・人員を増やしていない。配分重点の変更や、3自衛隊の統合推進のみで抜本的改革を行うことには無理がある。

 30大綱を受け、予算規模を具体化した31中期では、26中期に比べて2兆8000億円と表向きは増額したが、年度ごとの予算編成に伴う防衛関係費は5年間で8300億円増に過ぎない。

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