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【高橋洋一 日本の解き方】最低賃金引き上げの「公式」 韓国のやり過ぎは反面教師! 日本経済に有効な3%路線 (1/2ページ)

 最低賃金について、政府は毎年3%程度を目途に引き上げる方針を掲げているが、14日の経済財政諮問会議では、内需の下支えに向けて、それを上回る5%程度を目指すべきだという意見が出たという。現状の日本でどの程度引き上げるのが妥当なのだろうか。

 最低賃金の水準については、「あるべき論」が強調されがちだ。最低賃金が高ければ、その分消費支出が増えるので、経済成長にプラスだという意見すらある。

 もっとも最低賃金の引き上げによる消費増の恩恵がどの企業に還元されるかは定かではない。引き上げは企業のコスト増だが、それが企業収益増に直結するかどうかも分からない。

 このため、最低賃金引き上げは労働の逼迫(ひっぱく)に対応する程度にとどめた方が経済全体には好都合なことが多い。最低賃金も賃金の一種であるので、労働市場の状況と無関係に決めるのは無理だという、至極妥当な話だ。

 この原理を具体的にいえば、最低賃金は前年の失業率を受けた無理のない水準にし、賃金は雇用確保の後からついてくるという経済原則を曲げないようにさえすればいい。大ざっぱな計数であるが、最低賃金の上昇率は、5・5から前年の失業率を差し引いた数値程度が結果としていい。

 この点、安倍晋三政権はかなり狡猾(こうかつ)だといえる。雇用を増やし、失業率が下がるような環境を作っておき、最低賃金は失業率の低下に合わせて、毎年上がっていくように調整してきた。

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