記事詳細

全国61万人…深刻化する「中高年引きこもり」 急がれる正しい理解と適切なケア 専門家「“ゴール”は就労ではなく自発的な“一歩”」 (2/2ページ)

 現場ではどのように中高年の引きこもりに対するケアが行われているのか。

 「20~30代と比べても、中高年の引きこもりには粘り強い呼びかけが必要だ」と話すのは、40~50代の引きこもり家庭支援組織「市民の会 エスポワール京都」を主宰する山田孝明氏。

 『親の「死体」と生きる若者たち』(青林堂)の著書もある山田氏は、「引きこもり当事者は、家族の意見はあまり聞かず、自分と同じ目線で話を聴いてくれる相手を求めていることが多い。何回も手紙を送ったり、訪問を続けたりすることで『自分の仲間に会ってみたい』などと自発的に会に参加しようと思うまで待つことが大切だ」と話す。

 もちろん中高年の引きこもりが全て岩崎容疑者のような考えや行動に出るわけではない。筑波大学人間系の原田隆之教授(犯罪心理学)は「引きこもりという状況が岩崎容疑者の自己中心的で身勝手なパーソナリティーの形成に影響を与えた可能性はあるが、中高年の引きこもりが全員凶行に走る可能性を持つわけではない」と強調する。

 短期間で解決する問題ではないが、前出の山田氏はこう呼びかける。

 「“ゴール”は就労することだけではなく、別の形でも自分にできることを見つけて一歩踏み出すことが重要だ」

関連ニュース