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【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】リスクを覚悟…安倍首相のイラン訪問、大いに評価すべきアプローチ (1/2ページ)

 安倍晋三首相は12~14日の日程でイランを訪問した。13日に最高指導者のハメネイ師と会談し、「核兵器を製造も、保有も、使用もしない。その意図もない」との発言を引き出したという。安倍首相は会談後、「平和への信念をうかがうことができた。地域の平和と安定の確保に向け、大きな前進であると評価している」と語ったが、その通りだと思う。

 日本はこれまで国際社会で「積極的な仲介役」としての役割を果たしてこなかったが、今回の訪問は、新しい挑戦だった。安倍首相とハメネイ師、ハサン・ロウハニ大統領との会談は、全世界が注目していた。

 ドナルド・トランプ米政権は昨年5月、オバマ前政権でのイラン核合意を「最悪の合意」と呼んで離脱し、経済制裁を再開した。今年5月にはイラン産原油の全面禁輸に踏み切り、空母打撃群などを中東に派遣した。

 一方、イランも今年5月、米国の制裁解除を求めて、核合意の一部停止を表明した。国際原子力機関(IAEA)は先日、イランが制限対象である低濃縮ウランの生産ペースを拡大させていると懸念を表明した。

 中東には、軍事衝突もあり得る緊張感が走っていた。

 こうしたなか、安倍首相はリスクを覚悟してイランに乗り込んだ。この外交姿勢は、これまでとは一線を画した新しいアプローチといえる。これに反対するのは、極東の3カ国ぐらいだろう。

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