記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】かんぽ生命不正続出の背景 生保は自由化に対応したが…再国有化により「ノルマ」頼み (2/2ページ)

 その結果、今では日本の生命保険料などはおおむね標準的な水準である。データからも、もはや生命保険好きとは言えない状況だ。これは、それだけ、本邦系生命保険会社の経営が苦しくなったことを意味している。このため、生保会社は、節税をうたい、特に高齢層に対し外貨建て商品を売り込むことに熱心になった。

 そうした背景もあってか、最近、金融庁は生保会社の営業姿勢への指導が厳しくなっているようだ。

 生命保険を巡る環境変化は、2007年に民営化したかんぽ生命にも同じような影響を与えている。さらに民主党時代に再国営化もされた。その後のかんぽはひどい経営だった。

 もともと、かんぽ生命の商品は、その名のとおり「簡易保険」である。つまり、保障機能が弱く、ほとんど証券投資信託と同じような商品といえる。このため、金融自由化の波をもろにかぶってきた分野だ。

 これに対して、かんぽ生命では、従来ながらの「ノルマ」で対抗してきた。民間生命保険会社のように、外貨建て・節税という商品は商品開発能力がなく作れないので、旧来商品を体育会系のノリで、販売員への「ノルマ」を課すことで乗り切ろうとしていたのだ。

 民間生命保険会社は、いわゆる「生保のおばちゃん」という強力な販売部隊のセールスレディーがいたので、それを活用した人海戦術もあったが、さすがに限界を迎えたのか、別のステージに移行し対応している。

 かんぽ生命は民間生保会社から周回遅れの状況なのだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

関連ニュース