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【高橋洋一 日本の解き方】「あいちトリエンナーレ」問題で議論、公金支出と芸術の関係とは? (1/2ページ)

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、「表現の不自由展・その後」が中止になった問題をめぐって、公金の支出と表現の自由の問題が議論になっている。

 一般論として、特定の芸術を公金助成の対象にしないというのは、必ずしも表現の自由の侵害にはならない。これは世界のどこでも問題にならない、シンプルな公金による運営原則だ。

 もっとも、行政で展覧会を開催する場合、専門家が芸術的な観点から企画したものであれば、国・自治体はそれを尊重すべきだというのが、表現の自由論の一般的な理解だ。

 「芸術的」かどうかについて、住民は事後的にチェックできるのはいうまでもない。また、公金助成対象であるからには、住民への説明責任があるので、一般的には審査基準などがあらかじめ存在し、それに沿ったものとなる。この場合、表現の自由は尊重されるが、「公共の福祉」からの制限を受ける。

 「公共の福祉」というだけでは抽象的なので、具体的事案に即して、表現の自由に制約をかけないときと、かけたときとの比較考量となるが、そこでは納税者の納得感も考慮されるべきだろう。

 そして、公金によって行わなければいけない理由があるかということも焦点になる。もともと公金には限りがあるので、民間ではなしえないものに限定して実施する必要があるのだ。

 一部の論者は、芸術への公金支出を条件なしで認めるべきだという人もいる。だから、為政者が芸術に口を出せないというロジックだ。

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