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【大前研一 大前研一のニュース時評】トランプ大統領「グリーンランド買収構想」の真意 米国の歴史で新しい発想ではない「買う」行為 (2/2ページ)

 グリーンランドは北アメリカ大陸の北、北極海と北大西洋の間にある世界最大の島で、面積も日本の約5・7倍だ。これだけ大きくても人口は5万5000人しかいない。島の大半が北極圏に位置し、ほとんどが厚い氷で覆われている。

 デンマークの旧植民地で、現在は内政を1979年発足の自治政府が担当し、外交や安全保障はデンマークに委ねている。財政面ではデンマークからの補助金に3分の1くらい大きく依存している。

 中国は2016年にグリーンランドの古い基地を買収しようとして、米国の意を受けたデンマークに阻止されている。昨年も中国企業が米軍のチューレ空軍基地近くに空港を建設しようとして失敗している。

 米国防総省は5月の報告書で、中国が衛星通信施設や空港の改良工事などのインフラ整備などを通じてグリーンランドに接近している、と指摘。南沙諸島と同じような形での、軍事転用を懸念している。

 そう考えると、グリーンランドの買収計画は、豊富な天然資源の確保というより、中国の接近に対する警戒感という軍事的戦略が大きいと思う。

 ま、トランプ大統領にしてみれば、レガシー(遺産)をつくるためのエンターテインメントの一環かもしれないが。特にパリ条約を脱退して二酸化炭素をばらまき、地球温暖化の責任を追及されているが、おかげで北極航路が長期間開け、グリーンランドでもこれからはゴルフ場くらい開設できるのだ、と支持者の前で演説したいのかもしれない。

 さすが根っからの不動産屋だ、ということになる。

 ■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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