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【高橋洋一 日本の解き方】製造業の落ち込み傾向、さらに顕著に? 貿易戦争長期化が死活問題…中国撤退を迫られる企業も (2/2ページ)

 設備投資では、近年ソフトウエアの重要性が高まっていたが、これまで季節調整済みデータを算出するための過去データの蓄積がなかった。それらがそろったというのが当局の説明である。

 消費増税に対するシステム投資などが最近かなり活発に行われているが、それらを取り込めば、設備投資はそれなりに実行されていると見ることもできる。こうした事業を考慮すれば、設備投資があまり落ち込んでいないという説明が可能だ。

 それでも、傾向としては製造業の落ち込みがひどく、それを非製造業でカバーしている。このため、心理的には落ち込みつつあるという感じだ。

 最近の米中貿易戦争の激化、日韓関係の悪化も影響してくると、製造業の業績悪化はさらに顕著になる恐れもある。

 特に、中国事業にこれまでのめり込んできた日本企業にとって、米中貿易戦争の激化は死活問題になるだろう。しかし、トランプ大統領は一向に手を緩める気配はない。1日、約1100億ドル(約11兆6500億円)相当の中国製品へ15%の追加関税を発動した。

 これに対し、中国も約750億ドルの米国製品を対象とする報復関税を発動した。同時に、中国は、世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表した。

 ここまでくると、両者の歩み寄りは当分不可能だ。しかし、対米輸出をもくろんで、中国に進出している日系企業もあるので、そうした企業は中国からの撤退を余儀なくされるのではないか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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