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【有本香の以読制毒】「天皇陛下万歳」がなぜ悪い? 偏った政治的発言を流すテレビ局の姿勢に違和感 (2/2ページ)

 もう一つ、安倍晋三首相の「天皇陛下万歳」の発声にも、SNS上で一部弁護士らが批判の声を上げた。趣旨は「天皇陛下万歳」という個人崇拝の言葉は現代では死語であり、かつてこの言葉で多くの人が戦場に駆り出されたことを忘れてはならない、というところのようだ。

 どうやらこの方々、「天皇陛下万歳」始まりの逸話もご存じなさそうなので、ここに紹介しておく。

 始まりは明治22(1889)年、明治憲法発布の頃に遡(さかのぼ)る。アジア初の近代憲法発布という快挙に際し、東京帝国大学の学生らが特段の祝意を表そうと、明治天皇の馬車に向かって万歳三唱した。これが最初とされている。

 当時のエリート学生たちの誇らしい気持ち、感激を、現代の法律家が共感できないとは、なんと情けないことか。しかも、この人たちは、現行憲法が「日本の象徴」とする天皇の健康と長寿を願う「万歳」すら止めさせたいのだ。なんと偏狭で冷酷な人たちなのか。

 世界には、「God Save the Queen(神よ、女王を護り給え)」と国歌でうたう民主主義国もある。そのファクトを、ぜひ青木氏や一部法律家に知ってほしいものである。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

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