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【高橋洋一 日本の解き方】米中貿易戦争の影響占う3要素 「政治経済事情」と「貿易依存度」「対米交渉の経緯」で説明可能 (1/2ページ)

 国際通貨基金(IMF)は世界経済見通し(WEO)で、2019年の成長率を3・0%と予測し、7月時点から0・2ポイント下方修正した。これは過去10年で最も低い伸びだ。米中貿易戦争の影響などを挙げているが、世界経済の減速は深刻なのか。日本にはどのような影響があるのか。

 ワシントンで20日まで開催されたIMFと世界銀行の年次総会は各国からの嘆き節ばかりが聞かれたようだ。米中貿易戦争など米国が仕掛けた一連の貿易交渉により、IMFのゲオルギエワ専務理事は「誰もが敗者になっている」と述べたという。

 ただし、世界各国の悪影響は一律ではなく、各国の政治経済事情、貿易依存度や米国との貿易交渉の経緯によって異なる。

 米国自身も、中国が米国の農産物に高関税を課したので農家にとっては苦しい。筆者の予想は、関税の引き上げによる収入を農家対策として支出するという政治的な対応を行うというものだ。一方、米国経済全体でみると、貿易依存度が低く内需中心なので引き続き世界の中で最もダメージが少ない。

 欧州は、貿易依存度が高い上に、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)とEU・米国間の貿易摩擦により、経済の落ち込みは深刻だ。これまでEU域内で圧倒的な経済力を誇っていたドイツも貿易依存性が高いため苦しい。それに加えて、後述する中国経済悪化の影響も大きい。欧州のほかの国でも、ブレグジットの余波を受け、経済は芳しくない。

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