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「ラップバトル」罰ゲームで高校生死亡 ラップの聖地・川崎で悲しみの声…Zeebraさん「若者が死ぬの見たくない」

 川崎市幸区の多摩川大橋付近で19日、高校1年の太田羅月さん(16)=同市川崎区=が川に飛び込んで死亡した事故を招いたのは、友人との「ラップバトル」の罰ゲームだったという。川崎は「日本のヒップホップの聖地」とも言われる場所で、ファンや著名人から悲しみの声が寄せられた。

 ラップバトルとは交互に即興のラップを披露し、歌詞の韻を踏むテクニックなどを競い合うもので、ヒップホップファンの間では「MCバトル」「サイファー」とも呼ばれ親しまれている。

 太田さんは友人5人と多摩川の河川敷でラップバトルを行い、最下位になったことで罰ゲームとして高さ約5メートルの橋脚によじ登り、川に飛び込んだが、水面に上がってこなかった。

 当日現場にいた5人の友人のうち、少なくとも1人は18日にも別の友人らとラップバトルを行い、川に飛び込んだと神奈川県警幸署に話しているという。「警察はいじめと関連していた可能性は低いとみているようだ」と地元記者。

 事故現場周辺を訪れた同市内の男性は「川崎市は、おそらく全国的に見てもヒップホップが浸透している街で、川崎駅周辺などでMCバトルをしている若者を見る機会は少なくない」と語る。

 中でも川崎区は幼なじみ8人のヒップホップグループ「BAD HOP(バッド・ホップ)」の出身地として知られる。同グループは2018年に日本武道館での公演を成功させた地元のヒーローで、後に続こうと切磋琢磨(せっさたくま)する若者も多いという。

 だが、MCバトルに罰ゲームが用意されているという文化はなく、ネットでは「BAD HOPはこんなことを望んでいない」との声も。

 ヒップホップ歌手のZeebra(ジブラ、48)は20日、ツイッターで「あまりにも悲しい出来事」と事故について言及した。海外でも危険な行為で若いラッパーが命を落としているとして、「世代間や歴史の断絶が進んでいるのが現状」と指摘。「もう若いラッパーが死ぬのを見たくありません」とつづっていた。