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【富坂聰 真・人民日報】2020年どこへ向かうか米中関係 政府と民意の「矛盾克服」が焦点に (1/2ページ)

 この原稿が2019年最後の一本である。であれば、やはり中国を通じた1年を振り返っておかなければならない。

 中心となるのは米中関係だろう。6月に火を噴き、いまだ収まりきらない香港デモも、北京の目から見れば「裏に外国の関与」があるということで、すなわち、アメリカである。

 師走の時期にきて、米中の貿易交渉は第一段階での合意ができ、互いに小休止のなかで新年を迎えられる。

 だが、周知のようにこの間、米中関係は揺れに揺れた。

 米中関係が緊張と緩和を繰り返すたび、日米の株式市場が上下したというのも1年を通じた現象であったので、記憶にも鮮明である。

 米中がここにきて少し歩み寄ったのは、中国側にはそもそもアメリカとの摩擦を収めたいとの動機があったからだ。これに加え米側にはクリスマス商戦を傷つけたくないという思いがあり、また中国への農産物の輸出が減ったアメリカの農家へのダメージが顕著になったことがある。

 だが、米中の判断は一時的なものであり、中長期的な良好な関係へとつながるものではない。

 言うまでもなく2020年は大統領選挙が行われる年で、中国からすれば4年に一度やってくる「サンドバッグになる1年」なのだ。

 大統領候補はみな中国に対して厳しい言論を繰り出す。トランプ大統領誕生まで、中国は「これは選挙用のパフォーマンスで選挙が終わるまでの辛抱」と考えてきた。だが、もはやそんな考えが通用じないのは自明だ。

 一方の中国も、ある瞬間から防戦一方の態度から対決姿勢に転じた。

 そのきっかけとなったのはファーウェイの孟晩舟(もう・ばんしゅう)CFOがカナダで逮捕された事件である。とくに彼女が足枷(あしかせ)をはめられた写真が報じられると、過去の不名誉な中国の歴史と重なったのか中国人の愛国心に火がついた。

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