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【日本の元気 山根一眞】スライド写真の高画質デジタル化 (1/2ページ)

 昨年秋から書斎の大整理を進めているが、課題のひとつが写真の処理だ。デジタルカメラが登場するまでは、モノクロ写真はネガフィルム(銀塩写真)だったが、カラー写真はリバーサルフィルム(スライド)が中心だ。雑誌・書籍に掲載する入稿写真はリバーサルが原則だったからだ。

 私が文と写真での取材活動を始めたのは1970年代初頭だったので、保存してあるデジカメ登場までの二十数年間分のカラースライドは膨大な量になる。そこで、今後絶対に撮影できない、私しか撮れなかった写真のみを選びデジタル写真化し、今後の活用資料とすることにした。

 たとえば、84年、ブラジル・アマゾンの密林の奥地、セーハペラーダでの空前のゴールドラッシュの現場記録はその一例だ。ガリンペイロ(金採掘人)たちが掘った穴の大きさは阿蘇山火口を思わせるほど巨大で、その穴の中に実に8万人もが金鉱石採掘をしていたのだ。

 現場への立ち入りは厳しい制限もあり、取材した日本人は私だけのはず。後、その巨大穴は雨水流入で湖と化し狂乱の黄金世界は水没した。南米の歴史はインカ帝国の滅亡など、黄金への欲望と血で縁どられてきた。私が撮った写真記録は、人類の経済的欲望を象徴する歴史的な価値がある。

 といったスライドをデジタル化するツールが「スライドスキャナー」だ。数十年前から発売されてはいたが、価格は10万円以上。しかも画素数は不十分で、読み込みに時間がかかる問題もあった。最近、USB接続の「簡易スライドスキャナー」が1万円ちょっとで多々出ているが、貴重スライドはしっかりとデジタル化したい。そこで見つけたのが、昨年3月末にニコンが発売した「フィルムデジタイズアダプター・ES-2」だ(実売価格1万7000円)。要はスライド写真を接写レンズ付きのデジカメで接写するツールである。

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