記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】日本は外資を“野放し”にしすぎ…ピント外れな「土地取得制限」 (1/2ページ)

 日経新聞(1月21日)によると、政府は外国人や外国資本の企業による国内での土地取得を制限する検討を始めたという。米軍や自衛隊の関連施設、原子力発電所の周辺など安全保障上の懸念がある地域などを対象に事前審査などを求める方針。

 この政策、ちょっと方向が違っているのかなと思う。現在、日本国内の土地は、原則としてだれでも取引ができる。防衛施設や原発周辺を念頭に置いているが、それだけではなく、一般的な外国人による土地の購買を許すのかどうかということも考えなければならない。許す場合は、何を基準にするのか、これを明確にすべきだろう。

 外国人の土地所有について、日本ぐらい制限がない国は珍しい。

 2年ほど前まで、都心のマンションを中国系の富裕者がどんどん買いあさって、価格が急上昇した。「一棟買い」とか、「フロアごと購入」という言葉も飛び交っていた。こういうことを規制しないと、一般の日本人が買えなくなる。不動産業界からすれば、「もっと外資を注ぎ込んでほしい」と言いたいところだろうが。

 中国では外国資本が土地を所有することはできない。認められるのは土地の使用権だけ。いずれは国に返さなければならない。

 一方、欧米諸国もここ数年、中国の脅威を念頭に外資規制を強化している。英国は土地の所有について、外資のみを対象とした規制はないが、公的機関に土地収用権があって、危ないと思ったら、すぐに強制収用できる。王室の土地も関係しているからだろう。フランスは登録されている外国企業はOKだが、個人は基本的にはNGだという。

関連ニュース