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【大前研一 大前研一のニュース時評】楽天はアマゾンにはなれない! 出店者側が反発「送料無料化」の無理筋… (1/2ページ)

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は先月29日、ネット通販「楽天市場」の出店企業向けのイベントで、一部出店者から反発を受けている3980円以上の購入での送料無料化について「楽天市場とテナントの皆様の成長のためには、絶対に必要な施策。絶対に遂行する。何が何でも成功させたい」と改めて強調した。

 3月18日から導入予定の送料無料化は、出店テナントで構成される楽天ユニオンが「一方的な店舗への負担の押しつけ」と反対を表明し、公正取引委員会に「優越的な立場を乱用した一方的な規約の変更で、独占禁止法違反にあたる」として調査を要請した。公取委は事情聴取を始めている。

 三木谷さんは、送料の無料化によって新規顧客やリピーターが増え、「流通総額で十数%上がると確信している」と語っていたが、反発する出店者は「客単価が下がり、個別発送が増えて利益が減る」と主張する。「楽天は自分の懐を痛めず、流通業者との交渉も立場が弱い出店者に負わせている」という意見も根強い。

 この議論の背景には、楽天とアマゾンの違いがある。アマゾンは多くの商品を自分で購入して巨大倉庫に入れて在庫管理し、自分たちで流通業者に依頼するなど出荷管理もしている。もちろん支払いサイトなどを長くして実質的にはいまだ購入したとは言えない商品もあるだろうが、基本的には「買い取り」制だ。だから「2000円以上買ってくれた人には送料無料」といったことは、自分たちの範囲でできる。

 一方、楽天は「場所貸し」をして中小の出店者を支えてきた。自ら商品を買って出荷しているわけではなく、出店者が在庫の管理をして出荷している。楽天は“展示場”に過ぎない。この場合、送料については当然、出店者の方に決める権利がある。

 それをアマゾンに煽られ、「送料無料にしないとウチは負ける。アマゾンは2000円だから、コッチは倍近い3980円だったらいいのではないか」と言い出した。

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