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岩田教授クルーズ船感染対策告発動画、専門家はどう見る? 識者「問題が政治化されたことは残念」 (1/2ページ)

 動画を消しても波紋は広がる。神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎教授がクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」内の検疫態勢の不備を告発した問題は、海外メディアでも取り上げられ、国会論戦でも政争の具になった。感染症の専門家は、岩田氏の告発をどう評価しているのか。

 「船内で感染予防がきちんとなされているとまだ思っている人たちが多いが、私からすれば決して十分ではない」

 岩田氏は20日、日本外国特派員協会のビデオ記者会見で改めて強調した。「多数の陽性患者がいながら14日間も閉じ込めた」「ウイルスを媒介している職員が平気で仕事をしている」と繰り返した。動画を削除した理由については「船内のゾーニング(区画設定)が改善したと聞いた。私の投稿は役割を果たしたと考えた」と説明した。

 同日の衆院予算委員会では、岩田氏の主張を受けた野党の追及が続いた。これに対し、加藤勝信厚労相は、岩田氏について「DMAT(災害派遣医療チーム)の業務に従事する約束で18日の午後3時すぎに乗船してもらったが、業務を適切にしてもらえなかったため、午後5時すぎに下船してもらった」と説明。「ゾーニングはしっかり行われている」と反論した。

 専門家は岩田氏の告発をどうみるのか。医療ガバナンス研究所所長の上昌広氏は、「国立感染症研究所のデータをみると、乗客への感染がピークを迎えた後、従業員の感染者が右肩上がりになっており、従業員を介して拡散したとも考えられる。船内は岩田氏が指摘したような状況になっていたのではないか」と告発に一定の評価を示す。

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