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【大前研一 大前研一のニュース時評】営業マンを疲弊させる“GPSの呪い”!? 「訪問先自動記録」スマホアプリ開発 (1/3ページ)

 営業マンの働き方も変わるのだろうか。新型コロナウイルスの関連ニュース一色の中、こんな記事が日経新聞に載っていた。営業支援サービスを手掛ける「アップワード」(東京・日本橋小網町)が、営業員が訪問した企業を自動で記録するスマホアプリ「AGENT」を開発したというもの。

 GPS(全地球測位システム)が営業員の居場所を特定、CRM(顧客情報管理システム)に連動して、訪問実績などを自動入力する。営業に行く最適のタイミングをAIが分析する機能も備える。これ、うまく機能するのだろうか。

 私はこれまで長い間に渡って、営業力強化、セールスオートメーション(SFA)などの営業支援システムも作ってきた。営業マンに同行して、普段どんなことをしているのか分析もした。

 営業マンというのは、会社をゴマかすのも商売のうち。営業所を出た後、10時には喫茶店で漫画を読み、午後3時にも喫茶店でこれまた漫画を読んでいる。ここにGPSでどこにいたといったデータが出てきたら、営業マンは皆、疲労困憊(こんぱい)して、結局、辞めてしまうことになるのではないか。

 だいたい、「7軒回ってこい」と言われたら、ちゃんと7軒に行って「こんちは。ここにパンフレット置いときますので、あとで読んでおいてください。さよなら」となることも多い。

 アップワードは米国のクラウドコンピューティング・サービスの企業「セールスフォースドットコム」と連携し、同社の最先端といわれるCRMにAGENTを組み合わせることにより、見込み客に関する最新情報を収集することができるという。

 例えば、見込み客のところに行って、「社長さん、先日、産経と日経に記事が出ていましたね。読みましたよ。すごいですね」と言えるよう、小さくて目立たない記事でも読んだふりをできるように集めてくれる。

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