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【高橋洋一 日本の解き方】コロナ・ショックを甘く見るな! 経済対策で事業費規模強調も「真水」は欧米より少ない実態 (1/2ページ)

 新型コロナウイルス関連の日本の経済対策で、30兆円規模という話も出ている。

 この額は事業費であり、いわゆる「真水」ではない。「真水」に公式な定義があるわけでなく、国内総生産(GDP)を直接増やす効果のあるものとして一般に理解されている。

 経済対策には大別すれば(1)公共事業(2)減税・給付金(3)融資・保証-がある。真水としては、(1)のうち用地取得費(事業費の2割程度)を除いた部分と(2)の全額、(3)は含まないことが多い。

 実際の政策としては、(2)でも消費に回らないと短期的にはGDP創出につながらないし、(3)がないと企業倒産につながり雇用の喪失を通じてGDPへ悪影響が出る。その意味では、全ての政策が相まって重要なのだが、真水の考え方はマクロ経済政策としての有効需要増をGDPに対する比率で表すことができる。

 経済ショックで需給ギャップがGDPの一定割合生じた際に、どの程度までそれを穴埋めできるか簡単に分かるので、景気の先行きを占う上で有効である。大ざっぱにいえば、景気対策の場合、一般会計での国債発行額にだいたい対応している。

 今回のような経済ショックがあると、GDPの一定割合の有効需要が失われ、GDPが低下する。それは、GDPが減少すると失業率が上昇する「オークンの法則」から分かるように、雇用の喪失を意味する。雇用を確保するために、どの程度の経済対策が必要かを検討する際、真水の考え方は好都合だ。

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