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【大前研一 大前研一のニュース時評】日本の財政状況をみたら「ギリシャはわが身」!? 若手中心に「公務員の転職急増」 (1/2ページ)

 私がジェットスキーを購入したことを耳にしたバイク仲間が「豪州で乗りたい」と言い出したので、3月15日から20日まで行こうと計画していた。ところが、胸騒ぎがして、「今回は止めたほうがいい」と航空機のチケットをキャンセルした。

 すると、飛行機の出発予定時間の直前、豪州政府が新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、16日からすべての人に入国後14日間の隔離をすることを発表した(その後、自国民と永住者、その近親者以外のすべての外国人の入国を禁止)。

 16日は私たちの到着予定日。危なかった。2週間も蟄居(ちっきょ)させられたら、私が学長を務めるBBT(ビジネス・ブレークスルー)大学・大学院の卒業式や入学式などにも出席できなくなるところだった。結局、そのバイク仲間とは四駆の新しいクルマで伊豆半島を細かく回ってきた。

 胸騒ぎがしたのは、世界を動き回った人間の独特のカンとしか言いようがない。新型コロナの感染者は、イタリア、スペイン、イランなど有名な観光地のある国で急激に増えたが、これ、今年は1月24日からの中国の春節連休に、新型コロナの感染が最初に確認された湖北省武漢市の人たちが、大挙して向かったからだと思う。

 新型コロナウイルスの関連ニュース一色の中、「公務員の転職希望が急増」という記事が日経新聞に載っていた。大手転職サイト「エン・ジャパン」への国家公務員と地方公務員の登録者数が、過去最高になったほか、国家公務員の離職者は3年連続で増加したというもの。

 外資系やIT企業に転じる20代が目立ち、中央省庁では国会対応に伴う長時間労働などで、若手を中心に働く意欲が減退していると紹介している。

 近畿財務局職員の遺書が発表されたことで、離職者増加はさらに拍車がかかるだろう。この職員は、森友学園に関する財務省決算文書改竄(かいざん)に関与した後、苦痛と過労で鬱病を発症し、自殺に追い込まれた。絶対服従の環境の中、部下のほうに全部責任を押しつけて理財局長は知らん顔。財務相も首相も知らん顔。こういった経緯を見たら、離職者が増えるのは当然だと思う。

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