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【高橋洋一 日本の解き方】東京五輪「延期決定」の政治力学 欧米の感染状況悪化を背景に…G7首脳巻き込んだ安倍首相の絶妙外交 (1/2ページ)

 東京五輪が1年程度延期となることが決まった。

 ある雑誌の対談で、筆者が1月末頃から7月の東京五輪開催を危ぶんでいたことについて聞かれた。そういう意見の人はほかにもいたが、筆者の見立てはロジカルなものだったので記憶に残ったようだ。

 7月開催を危ぶんでいた理由は、新型コロナウイルスの状況を予測していたからだ。日本での感染の状況を予測するとともに、準備期間を考えると国際オリンピック委員会(IOC)が判断するギリギリのタイミングが5月下旬だから、かなりきわどいという結論だった。感染の予測は確率で表現される数量的なものであるので、判断のタイミングでの予定通りに行えるかどうかも確率としてある程度言うことができた。

 1月末の段階で、今のように欧米で感染者数が拡大するかどうかは確実には分からなかったので、あくまで日本の状況を根拠に予測した。その後の欧米での状況悪化はすさまじく、IOCの判断のタイミングがどんどんと早まり、東京五輪の延期が決まった。もはや、日本の事情ではなく、欧米諸国が参加できないので延期になったことは明らかだ。

 この「欧米の事情」というのは日本として不幸中の幸いだといえる。五輪開催の決定権はIOCにある。欧米の五輪関係者が一斉に延期を打ち出し、最後の段階で、日本政府からの要請という形でIOCが事実上の最終決断を下すという政治的な絵図は日本にとって悪くない。

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