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【高橋洋一 日本の解き方】コロナ禍で「増税」主張する学者…GDP減らして失業を増やす 東日本大震災でも失敗の“悪手” (1/2ページ)

 2011年の東日本大震災の後、復興増税が行われた。今回のコロナ・ショックの際にも増税を主張している経済学者がいるが、危機の際に増税するというのは世界標準の経済政策なのか。

 経済政策を考える際、標準的なフレームワークは、総供給と総需要がどのように変化するかを考える。総需要は、民間消費、民間投資、政府需要、純輸出で構成される。総供給は、基本的には生産関数であり、人口、総資本、技術などが構成要素である。

 1973年と79年のオイル・ショックでは、生産基盤の一つであるエネルギー価格が外的要因で一気に上昇した。これは生産関数での価格上昇になるので「供給ショック」であり、国内総生産(GDP)の下落と一般物価の上昇という形になる。その場合、総需要を増加させる景気刺激策ではなく、供給に働きかける政策が主体となる。

 2008年のリーマン・ショックでは、不良債権問題に端を発する金融機関の倒産によって需要が一気に飛んだ。日本では金融機関の痛手は少なかったが、海外の需要減により輸出減少となった。これは「需要ショック」で、同時に一般価格の低下、失業の増加があった。

 こうしたショックに対しては、総需要を増加させるような財政政策と金融政策の一体発動が世界各国で行われた。ただし、日本では、十分な財政出動・減税が行われず、金融緩和も不十分だった。日本だけが金融緩和されなかったので、一方的な円高が進み、輸出が減少、内需増加の効果を外需減少で相殺してしまった。

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