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休業要請無視のパチンコ店名“公表”は逆効果か 専門家「依存症の客は遠方からも来る」

 新型コロナウイルスの「緊急事態宣言」が全都道府県に発令されるなか、自治体による休業要請を無視して営業を続けるパチンコ店が各地に存在する。「3密」(密閉、密集、密接)の典型であり、政府や自治体は、要請に応じない施設名を公表する方針だ。ただ、効果は疑問のうえ、逆にギャンブル依存症の客を呼び寄せてしまう危険性もあるという。

 休業要請を受けて、命に関わる感染拡大を防止するために協力しているパチンコ店は多いが、従わない施設もある。

 大阪市内のパチンコ店では22日、午前10時の開店前から600人を超える行列ができていた。東京都内の繁華街でも20日から営業を再開したパチンコ店があり、近県からも客が訪れているという。

 クラスター(感染者の集団)発生が強く懸念されるため、西村康稔経済再生相は、名指しで休業を求める強力な措置も辞さない考えを表明。大阪府の吉村洋文知事も、パチンコ店を念頭に「今週末には(公表を)判断しようと思っている」と述べた。

 こうした施設名の公表について、元千葉県警刑事課長の田野重徳氏は「休業要請を無視している施設は『金もうけ優先』とみられるので、公表されても効果は低いのではないか。強制的な閉鎖は難しい。遊技組合などに休業した際のメリットとしない場合のデメリットを提示する手も考えられる」と語った。

 客の立場ではどうか。

 精神科医でヒガノクリニック院長の日向野春総氏は「ギャンブル依存症は、報道や周囲の助言も気にかけない思考回路になっている。特定のパチンコ店へのこだわりはなく、開店していたら遠方から来る客もいる。店名の公表も無意味ではないか」と話している。

 要請や指示で効果がない場合、強制力を持たせる法改正が必要だろう。

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