記事詳細

【長谷川幸洋「ニュースの核心」】本来は権力の暴走をチェックする役割なのに…検察とグルになった左派マスコミの“偽善” (1/2ページ)

 検察官の定年を延長する検察庁法改正案について、安倍晋三政権が今国会での成立を見送る方針を決めた。「検察の独立を侵す恐れがある」などと反発した野党とマスコミの声に配慮したためだ。

 それなら、それでも結構だ。法案は国家公務員全体の定年を65歳に引き上げる別の法案と一緒になっている。成立しなければ、定年延長できず、民間に比べて著しく不公平になる。いずれ、秋の臨時国会で改めて審議されるだろう。今回は、ひとまず水入りにしたにすぎない。

 そのうえで、あえて注文したい。どうせ審議するなら、この際、検察に対する政府のコントロールを強める方向性をもっと明確に打ち出すべきではないか。

 左派勢力は「検察の独立性」を声高に唱えるが、話は逆だ。本当に怖いのは「検察の暴走」である。

 例えば、厚生労働省の村木厚子・元局長が冤罪(えんざい)に問われた2009年の障害者郵便制度悪用事件だ。これは後に、重要証拠である役所のフロッピーディスクが特捜部の主任検事によって偽造されていたことが発覚し、同検事や特捜部の元部長、副部長が逮捕される事件に発展した。

 10年には民主党の小沢一郎元代表(当時)が強制捜査された陸山会事件もあった。捜査自体が強引だったが、それだけでなく、小沢氏の元秘書を調べた東京地検特捜部検事が架空の捜査報告書をでっち上げ、検察審査会に提出する、という前代未聞の事件まで起きている。

 当時、法相だった小川敏夫氏は、でっち上げ問題に厳正に対処しようとしない法務・検察当局に対して指揮権発動を検討したが、野田佳彦首相によって突然、更迭されてしまった。最高検察庁は担当検事や特捜部長らを不起訴とし、減給や厳重注意の甘い処分でお茶を濁した。事件は闇に葬られたも同然である。

関連ニュース