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【突破する日本】検察庁法改正案への反対騒動 「公務員優遇」法律の目くらましか (2/2ページ)

 検察庁法改正案は国家公務員法改正案との「束ね法案」だった。国家公務員法改正案は、国家公務員の定年を60歳から段階的に65歳に引き上げるものだ。問題は給与の引き下げがないことだ。民間では定年延長後の給料は下がるのが普通だ。国家公務員は下げない。法案成立後には地方公務員法改正が予定されていた。地方公務員の定年延長を可能にし、給与を下げないというものだ。

 地方では公務員は最も収入の多い職業の一つだ。コロナ禍で経済が低迷する中、なおさらだ。その公務員の定年延長を可能にする法案がコロナ禍で審議されていた。検察庁法改正案で騒いだのは「目くらまし」だったのか。火事泥棒的に公務員優遇の法律制定が企図されていたのだ。

 政府は検察官を含む公務員の定年延長を盛り込んだ国家公務員法改正案自体の廃案に方針を転換したという。黒川検事長も「賭けマージャン」で辞職した。バカ騒ぎは何だったのか。騒いだ芸能人を含め、自分の見識のなさを猛省してほしい。

 ■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業、同大学院法学研究科修士課程修了、政治学研究科博士後期課程研究指導認定退学。専攻は憲法学。皇室法制、家族法制にも詳しい。第2回正論新風賞受賞。高崎経済大学教授などを経て現在、麗澤大学国際学部教授。内閣官房・教育再生実行会議有識者委員、山本七平賞選考委員など。法制審議会民法(相続関係)部会委員も務めた。著書に著書に『憲法改正がなぜ必要か』(PHPパブリッシング)、『公教育再生』(PHP研究所)、『明治憲法の思想』(PHP新書)など多数。

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