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【日本の選択】米国で人種差別批判が強まるなか… 現代の価値観に従って「歴史的人物の銅像」を破壊する愚挙 (1/2ページ)

 米中西部ミネソタ州の白人警官による黒人男性ジョージ・フロイド氏の暴行死事件を契機として、米国で人種差別批判が強まっている。略奪や暴動にまで発展しているデモに注目が集まっているが、今回私が取り上げたいのは歴史上の人物の銅像を破壊する運動だ。

 現在、コロンブスの銅像が各地で相次いで破壊されている。アメリカ大陸を「発見」した英雄ではなく、先住民を虐殺した犯罪者だったというのが理由である。

 一人の有色人種として私はコロンブスのアメリカ大陸「発見」などという表現には強い違和感を覚える者だが、歴史上の人物の銅像を破壊するという行為には全く賛同できない。異論があるのは当然のことながら、コロンブスもまた歴史的人物であったことは否定できないであろう。

 銅像が破壊されているのはコロンブスだけではない。

 南東部バージニア州では州都リッチモンドにあるリー将軍の銅像の撤去が知事によって決定された。リー将軍とは南北戦争の際、南軍を指揮した司令官である。あまり日本ではなじみがないが、米南部では絶大な人気を誇る将軍である。

 日経新聞の上級論説委員である大石格氏は『アメリカ大統領選 勝負の分かれ目』(日経プレミアシリーズ)の中で次のように指摘している。

 「南部に住む白人は、奴隷制度は悪だったといわれても、奴隷を必要とした南部のプランテーション農法は時代遅れだったといわれても、南北戦争を引き起こした南部連合のジェファソン・デイビス大統領は無謀だったといわれても、反論しない。だが、アメリカ連合軍を率いたロバート・E・リー将軍をあしざまにいわれたら……黙っていられないだろう」

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