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「イージス・アショア」配備断念で「敵基地攻撃能力」保有議論開始 「10月衆院解散・総選挙」の焦点か

 自民党は、政府が地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画を断念したことを受け、国民の生命と財産を守るため、ミサイル防衛政策を抜本的に見直す作業に入った。「弾道ミサイル防衛検討チーム」が30日午後、党本部で初会合を開く。「敵基地攻撃能力」の保有などをテーマに議論し、7月までに政府への提言をまとめる予定だ。永田町で「10月衆院解散・総選挙」説が浮上するなか、焦点の1つとなる可能性がある。

 「北朝鮮をはじめとする各国の技術の進歩にどう対応するのか。そうした観点から議論を深めることが重要だ」

 岸田文雄政調会長は29日の記者会見で、党内論議の活性化にこう期待感を示した。

 自民党は、北朝鮮の弾道ミサイル発射が相次いだ2017年、敵のミサイル発射拠点を攻撃して発射を抑止する敵基地攻撃能力の保有を検討すべきだと、政府に提言した。その後も「防衛計画の大綱」に盛り込むよう要請した経緯がある。

 今回の検討チームの座長は、保有に前向きな小野寺五典元防衛相が務める。

 河野太郎防衛相がイージス・アショアの配備計画を停止したのは、迎撃ミサイルのブースター(推進エンジン)が演習場外に落下する危険性が排除できなかったことに加え、北朝鮮や中国、ロシアのミサイル技術が向上していることがある。

 北朝鮮は昨年、新型弾道ミサイルの発射実験を繰り返したが、低高度で変則的な軌道で飛行するロシア製の弾道ミサイル「イスカンデル」に酷似するミサイルが複数回確認された。こうした新型ミサイルは、イージス・アショアを含む、従来型ミサイル防衛では対処できないとされる。

 政府は党の提言を踏まえ、9月にも現実性のある新たな抑止策の方向性を打ち出す構えだ。

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