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【高橋洋一 日本の解き方】雇用確保の対策は十分なのか 財政と金融「有効需要」を創出、3次補正で家計に焦点当てよ (1/2ページ)

 5月の完全失業率や有効求人倍率などの雇用指標が悪化しているが、雇用調整助成金など現状の雇用対策で間に合う規模なのか。さらにどのような対策が必要か。

 6月30日に発表された経済指標はいずれも悪かった。厚生労働省による5月の有効求人倍率(季節調整値)は1・20倍。前月から0・12ポイント低下したが、下げ幅は1974年1月以来、46年4カ月ぶりの大きさだった。

 総務省による5月の失業率(季節調整値)は2・9%。前月から0・3ポイント上昇で、3カ月連続で雇用環境は悪化した。

 また、経済産業省による鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み)は79・1。前月比8・4%の低下で、低下は4カ月連続だ。

 生産活動の経済指標はさすがに6月になると下げ止まり、反転してくるだろう。となると、7月末の公表になると、多少良い数字になる可能性がある。しかし、雇用関係の統計指標は当分の間、悪い数字が続くのではないか。経済活動に対して、雇用はやや遅れて出る「遅行指標」だからだ。

 雇用が悪くなるのは、経済活動が低調で、新規の雇用を作り出せないばかりか、既存の雇用すら維持できなくなるためだ。

 筆者は、財務省や官邸で経済政策を立案してきたが、これまでの原理原則は単純だ。一に雇用、二に所得だ。雇用の確保ができるかどうかが最低ラインで、その上に所得が上がれば、満点に近くなるという具合だ。この原理原則はほとんどの先進国でも同じなので、筆者もその考え方にのっとり、役人時代に経済政策を考えていた。

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